毒親(発達障害)と生きる

共感・肯定ゼロ 否定と操縦の子育てからの回復

ドラマ『結婚できない男』から母との付き合い方を学んだ

 

ドラマ 『結婚できない男

息子がアマゾンプライム会員になっているおかげで、今まで見なかったようなドラマや映画を楽しんでいる。

結婚できない男』は、2006年に制作された全12回のテレビドラマである。

主人公の建築家の桑野信介は高学歴・高身長・高収入であるが、協調性、社交性に乏しい。

料理、家事なども完璧(こだわり)にこなせるので、一人で生活するのにまったく困ってはいない。

思ったことをそのまま言って周囲の人を傷つけたり、相手が聞いてもいないウンチクを語り続けたりして、一言でいえば変わり者である。

そんな桑野は周囲の人と関わっていくが、どこかずれたコミュニケーションになり、自分の感情をうまく表現できないこともあって、気持ちの行き違いからちょっとした事件の数々が起こるコメディーになっている。

 

母と似ている点

これを見ていて、気づくことが多くあった。

私の母は、桑野のように社会的に通用する何かに秀でた技術を持っているわけではない。

長年、やってきたことは教会に通うことと家事である。

母は聞いてもいないのに、自分がクリスチャンでいかに素晴らしい人間であるかを語り、家事も雑なのに自分のやり方や手順に事細かにうるさい。

自分の気持ちや感情をを素直に伝えることができない。

要素はかなり違うが、共通している部分は多い。

 

診察室でのやり取りはとても参考になる。

桑野は食事の偏り(肉類が多い)や自分の感情をうまく言えないストレスのために頻繁に具合が悪くなり、病院に行く。

その病院の診察室で女医さんとのやりとりが秀逸であると思った。

患者である桑野は、診療を受けているにもかかわらず、急にウンチクを語りだしたり、的外れな答えをする。

医者はという公的立場であるから、感情的にならず、(全くならないわけではないが)観察的で一定の距離を保った態度をとっている。

斜め上の返答にも「それはこういうことですか」という言い直して桑野が言わんとしていることに近づこうとする。

見ていて、これだ!と思った。

母だから、親だからという思い込みを外して、「一定の節度と距離を持った態度で接する」母との付き合い方のコツではないか。

一般的なコミュニケーションにおいては、こういう反応がくるだろうと過去のデータからある程度の予想領域があるが、それは横に置く。

患者が何を必要としているのか、少ない手がかりの中から観察して探る。

そして接する時間は短く。

家族と言えども、互いにストレスになるなら、長く一緒にいる必要は全くない。

2世帯住宅にしてから主なやりとりはメールにしているが、直接やり取りするよりはストレスはずっと少ない。

 

NOということも親孝行

 世間一般では、家族とはいつも仲良く互いに助け合うものというイメージ

が強固だが、そうではない家族、そうできない家族もある。

また、そうしない方が良い場合もある。

百人百様であるように、家族もそういうものではないだろうか。

一緒にいる時間が少ないから、不親切だ、親不孝だというわけでもない。

何かにNOということも、互いにとって良い結果になることもある。

 

さて、テレビドラマ『結婚できない男』、続編ができるらしい。

桑野と女医さんの関係の進展が予想されるところで終わったが、その後どうなっていくのか楽しみである。

 

f:id:hohoemiko:20190619160445j:plain

アルケミラ