カサンドラ症候群 母と私の場合
カサンドラ症候群
カサンドラ症候群とは、家族やパートナーなど身近にいる人が自閉症スペクトラムであることにより、情緒的相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害、抑うつ、PTSDなどが起きている状態をさす。
尚、正式な疾患名ではなく、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」などと表現されることもある。
語源となっている「カサンドラ」は、ギリシア神話に登場するトロイの王女の名前。未来予知の能力がありながらその言葉を誰にも信じてもらえないという境遇を持つことから、「身近な人間関係での不条理な状況に置かれ、社会から理解をしてもらえない」ことによる状態を指す言葉として、心理療法家シャピラによって1980年代に名付けられた。
ASDのあるパートナー(家族)が一定以上の社会適応性を身に着けている場合、職場などの外向きの環境ではうまく行っているものの、家庭や身近な人とのプライベートな空間の中でのみ関係性の悪化が起きるケースがある。パートナーや家族だけがそのつらさを感じている場合、外側からは見えにくい。
以下のサイトを参考にさせて頂いた。
母との確執
老いた母と同居を開始したのは、8年前である。
母の言動が何かおかしい、コミュニケーションがスムーズに成り立たない。
当初は認知症を疑ったが、どうも違う。
外(教会)では周囲に合わせてうまくやっているらしいが、家では自分の話(自慢)と人の悪口と見下した発言をするばかりで会話は成り立たない。
ずっと悪口を聞くのは不快なので、私はたしなめたり、相手にせず聞こえないふりをした。
人の悪口はさんざん言うのに、自分の自慢をしては誉めてもらいたがる。
同居を始めた頃は、「なぜ?」「またか」との繰り返しの暗澹たる気持ちとやり場のない怒りの感情の渦の中で過ごしていた。
母と一緒にいると心がすさんでいくと感じた。
何かをしようという意欲は減退、不安やイライラで精神状態はいつも不安定だった。
唯一の救いだったのは、一緒に住んでいた娘が家の中での母の普通ではない言動に気付いて私の気持ちを理解してくれたことだ。
この頃の私は、まさにカサンドラ症候群だった。
母の発達障害の理解が進むとカサンドラ症状は消失した。
母娘関係の問題と複雑に絡み合って、なかなか本質が見えずにずいぶん長いこと(ほぼ7年間)苦しんだ。
今は、母の家での悪口や見下し発言は、きわめて弱い自我(自尊心)を何とか支える手段 だったのだろうと思える。
ほめてもらいたがる部分もあるので、社会性に関しては幼児レベルに近い部分がある。
老齢なのでより顕著に表れているのかもしれない。