毒親(発達障害)と生きる

共感・肯定ゼロ 否定と操縦の子育てからの回復

フラッシュバックと簡易トラウマ処理

 

過酷な体験の再演

「フラッシュバック」は最近はよく聞くし、自分でも使うことがある。

フラッシュバックは過去の出来事を「再演」「再体験」することで、何年も前に起きた出来事でもまるで「いま」起きているような感覚になることだ。

杉山氏によるとマルトリートメント(不適切な養育)がある家庭で起きていることに以下のものがあるという。

 

言語的フラッシュバック

親から言われた暴言をまるで親が乗り移ったかのような口調で再演する。

 

認知的フラッシュバック

親から「おまえは生きている価値もない」と言われ続けてきたせいで、「わたしは生きている価値のない人間だ」という考えが浮かんでしまう。

 

行動的フラッシュバック

急にキレて暴れたり、人に殴りかかったりする。過去の行動の追体験

 

生理的フラッシュバック

例えば、首を絞められた経験があると首にあざが浮かんでくることがある等。

 

参考

 

これらにはかなり思い当たることがある。

父の怒号はかなりの恐怖を感じるものだったが、おそらく両親の厳しい躾、軍事訓練及び戦争時のフラッシュバックがあったと思う。

母の場合は祖母から受けた冷たい仕打ちや罵り、発達障害ゆえの周囲からのいじめや排除、(これらの背景に戦争の時代)があっただろう。

 

両親の症状を教育や躾などと思い込んで育った私は、子どもに対する不適切な態度、叩く、暴言を自分で止めることができない時があった。

それはフラッシュバックだったと思う。

教育を学んで10年近く現場にいたのに、自分で自分をコントロールできないことに激しく落ち込み、自分を責めた。

後から子どもに不適切な対応を謝ったりするが、自分に対する不信感や自信のなさはその都度、滓のように積み重なっていっと思う。

同時に親からの過去の暴言の数々「不注意だ、なってない、だめだ、おっちょこちょい、こんなこともできないのか」などのフラッシュバックで、自尊心はほぼなく、何か人の役に立つことがなければ自分の価値などないと思い込んできた。

両親の激しい言動の前に、自分の感情を押し込めて育たざるを得なかった私は、いまだに本当の自分とは何なのか、ありのままの自分とはどういうものかわからないというのが正直なところだ。

 

複雑性PTSD

 私のように幼いころから慢性的なトラウマを抱えてきてPTSDの症状がある場合は、複雑性PTSDという区分になるようだ。(実際に診断されてはいない。)

複雑性PTSDは子ども時代のトラウマの後遺症であることが多いとされる。

 

複雑性PTSDの症状として、フラッシュバックが多く、絶えず身体に嫌な感じを持っていることが多い。

その不快感を取り除いていくとフラッシュバックも連動して消えていくということだ。

確かに、私自身も呼吸を重視したマインドフルネス瞑想やソマティックエクスペリエンス(1度)受けてから、過去の嫌な記憶がよみがえる事は徐々減ってきた。

 

ソマティックエクスペリエンシング SE

SE™療法(Somatic Experiencing®)とは | SE Japan

 

 簡易型トラウマ処理

 

この本の最後に左右交互刺激と呼吸法を組み合わせた簡易型トラウマ処理の方法があるので紹介しておく。

 

*呼吸は胸郭呼吸

ヨガなどで用いる腹式呼吸ではなく胸郭を広げる呼吸

イメージは地面から「気」を吸い上げて気を頭頂から抜く

 

1回目  もやもやを感じている部分を特定し両手で左右交互に叩く(タッピング)

 20回程度の交互刺激を2~3セット行う。 

「少し」という程度でやめる。

これだけでも副作用としてトラウマ体験を夢に見たり、不快なフラッシュバックが続くことがあるが、これは回復が進んでいるという証拠。

 

2回目以降(2週間後くらい)

4セット法によるトラウマ処理

 

1 胸の下の両側の肋骨の下を両手で左右交互に20回~30回パタパタとタッピング

その後、胸郭呼吸

2 鎖骨の下で20回の交互刺激と胸郭呼吸

3 首の後ろを20回~30回たたいて胸郭呼吸

4 頭のてっぺんから下に向けてなでおろす。左右交互に20回くらい 胸郭呼吸

 

*2と4は左右お手を入れ替えてやった方が有効。

*不快な部位が残っている場合は、その部位のあたりを2セットほど行う。

*この4セットを2週間おきに4~5回やるとフラッシュバックは底をついてくる(減少する)

短時間で少しずつ

 

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簡易型トラウマ処理 親の脳を癒せば子どもの脳は変わる p188

 

トラウマ処理 私の場合

 今から1年前に自分の症状は発達期にトラウマがあった複雑性PTSDなのではと気づいた。

その頃はトラウマ記憶が激しく噴出して感情がひどく不安定になっていた。

トラウマやPTSDのついての理解が進むと、

今の自分の状態(症状)が自分のせいではなく,

ヒトという動物が持っている危険に対する自然な反応の結果だとわかってくる。

また、突然浮かんでくる自分の思いや考えがフラッシュバックである可能性にも気づく。

上の簡易型トラウマ処理は、何度かやってみたが、やった後にとてもすっきりする感じがある。

経済的負担もないので、2週間に一度(忘れそうだが)やってみる価値はあると思う。

ゆっくりと進むペースで、少しずつを忘れずに。